風と幻灯

家族のこと、猫のこと、日々の暮らし。
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いつもあなたは家族の中心にいた

このオレンジのソファを買ったのは、13年も前。


お気に入りのソファ

世田谷に越してきてすぐのことだった。


引越しの後、いくつかの家具屋さんを回っていたとき、このソファにめぐり合った。
最後の1個だったみたいで、現品限りって書いてあった。

座ってすぐに、好きになった。

夫くんも、このソファを好きになって、すこしお値段は張ったけれど、購入を決めた。迷わずに。

そして我が家にやってきたソファ。

本当はもっときれいな色だったけど、13年の間に汚れて、くすんで、そしてボロボロになった。
猫たちが来てから、ますますボロボロになってしまった。

一時期、カバーをかけたのだけど、猫たちがそのカバーで遊んでしまって、すぐにぐちゃぐちゃになるので、結局取り払った。


このソファは、寝心地が抜群だった。

ちょうどよい長さがあって、固さと柔らかさのバランスが良くて、肘掛の部分が、まくらにぴったりの高さだった。

このソファを買ってすぐに、それに気づいて、友達が来たときには「このソファ、寝心地が凄く良いんだよ!」と自慢した。
実際寝転がってみた友達は、みんな「ほんとだ!」と驚いて、ソファをほめてくれた。


ずっとずっと家族の真ん中にいた。



今日、あんまりにも眠くて、すこしだけ横になろうとベッドに入って30分もしないうちに、家の電話が鳴った。

電話の主は夫くんで、「メール見てー!」と。
携帯メールを確認すると、「引越しでソファーが出るんだけど、このドイツ製のソファーいる?」と書いてあった。

前にも書いたけれど、この夏に我が家は引越しをするんだけど、このソファをどうするかで、散々悩んできた。
もう、いい加減にボロボロだし、新居にはどうかと思うと思いながらも、このソファが大好きで、お気に入りだったわたしと夫くんは、なかなか買い換える決断を出来ないでいた。

そして明日、夫くんの会社の引越しがあって、もっと小さい事務所に越すので、会社においてあった大きなソファがどうやら邪魔になるらしく、処分すると言う話になったそうで、まだきれいだし、もったいないと思って、うちも買い替えを悩んでいたし、それだったらこのソファ、どう?と、メールをしてきたのだった。

まだ眠い頭で、「うん。そうだね、いいんじゃないのかな?」と返事をする。
携帯に添付されていた写真が小さくてわからないというと、パソコンのアドレスの方に送りなおしてくれた。
普通に、きれいな、黒茶色のソファ。
ものは良いそうで、座り心地も悪くないとのことだった。

「きれいなソファだね」と返事をした。

「じゃぁ、今日、配送の人と一緒にソファーもって帰るから、うちのソファーは6時から9時の間に、回収業者が行くように手配したからね」と言われた。

そして、そうか・・このソファとお別れか。と思うと、なんだか急に寂しくて寂しくて仕方がなくなった。


ソファとぷーちゃん


ソファに寝転がって、ソファを抱きしめた。
「大好きだったよ。大好きだったよ」と何度か心で思った。
「ずっとうちにいてくれたね。すごく好きだったよ。いつもとっても気持ちが良かったよ」とソファに心で言って、ソファを何度か撫でた。

モノに愛着を持つほうではあるんだけど、こんなに別れが切ないのは初めてだ。

夫くんにメールしてみた
「あぁ・・・なんだかものすごく寂しい。心の準備が出来ていなかったから、切ない」

夫はわかってくれるだろうか?何の話をしてるんだと思うだろうか・・?

そう考えていると、夫くんからメールの返事が来た。

「思い出のソファーだからね。わかるけどね。温もりまで失いそうなイメージでしょ。いきなり黒くなるより暖色系のカバーでもしようか?」

あぁ。
分かってくれたんだ・・・。

嬉しかった。


その後、回収業者のひとがきて、すこし重いソファなので、すこし苦労しながらソファは運び出された。
リビングから廊下へ続く扉にソファがひっかかると、「イヤだって言ってるのかな・・?」って考えた。

モノに心が宿るなら、ソファだって、あんまり急なお別れで、きっと寂しく思っているかもしれない。
昨日だって、今朝だって、ここに座ってくつろいでいたのに。
あんまりだって思ったかもしれない。

胸がやっぱり痛かった。

大好きだったの。
ありがとう。
ずっといつもいてくれた。
そこにあった。
思い出なの。

回収業者のひとが、玄関を出るとき
「この引き取ったものって、もう、処分なんですか?」と聞くと
「はい。すべて処分させていただきます!」と明るく言った。

また、最後に胸がチクリとした。



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8 Comments

tomotan says...""
うちにもあります、捨てられないソファー。結婚した時だったから、もう20年もの。
ものすごくボロボロで、革なんてひび割れてます。 何回も買いなおそうと思いましたけど、持ってきてしまった。そして家が広かったのでリビングには綺麗なソファーを買って、古いのは地下室に置きました。
時々一人で下に下りてここに座って本読んだりしてます。
2012.04.24 07:56 | URL | #- [edit]
アビmama says...""
私も巨大爪とぎと化したソファーが捨てられずにいます
それがまた座り心地が悪くて…
ネットで家具を購入するのは考えものですね^^;

私も頑張ってさよならするわよ~!(笑)
2012.04.24 12:22 | URL | #0ej1hy.w [edit]
サ・エ・ラ says...""
うわーん、わかる!
切ないですね。
ソファってけっこう大きな買い物だから、
で、存在感もあるし、思い出が詰まっちゃうよね。
うちのも猫さまのおかげで、ボロボロ。
でもね、これは私がフルタイムで保育士してたころに家具屋さんに行って、
「ちょっと高いな」
「でも、私も頑張って働いてるんだから、これくらい買おう」
と言って、決めたものなんです。
座り心地もいいのよ^^
その家具屋さん、知り合いだったけどご主人が亡くなって廃業しちゃって、
そういう意味でも失いたくない気分。
でも、新しい出会いは、そんなふうに突然来るんですね!
ダンナさま、優しいかたですね!
もちろんmomeさんも優しいなぁと感じました。
これから少しずつ、新しいソファになじんでいくんでしょうね。
2012.04.24 18:05 | URL | #DDJALrL2 [edit]
ちび says...""
こんにちは☆
なんかわかります~!
当たり前にずーっと一緒に生活して
たくさんの思い出が詰まったもの。
家の家族写真には必ずこのソファーが写っていたり
きっとmomeさんの家族みんなが大好きだったんだろうな~って
こちらまでウルウルしてきました。
人も一緒ですが
別れもあれば、また新しい出会いもありますね☆
新しいソファーにもたくさんの思い出が作られていくんだな~っと思うと、momeさん家にやってくる新しいソファーも幸せだと思います(*≧ω≦)


2012.04.25 17:03 | URL | #- [edit]
mome says...">to tomotanさま"
いいなー!
tomotanさんちみたいに、モノを置ける部屋があれば、わたしも、あのソファはずっと捨てないで取っておいたと思います。
今は新しいソファが鎮座していますが・・。
どうにもこうにも、なんだか馴染まない(笑
前のカレシと比べる女子みたいな気分です。
2012.04.26 20:14 | URL | #- [edit]
mome says...">to アビmamaさま"
巨大爪とぎになりますよね~!(笑
うちもほんとうにボロボロでした。

やっぱりソファと靴はネットで購入しない方がいいですよねぇ。
たまーに「アタリ」もあるけど、外れることのほうがずっと多いと思います。
特にソファは長く使うものだしね。

2012.04.26 20:16 | URL | #- [edit]
mome says...">to サ・エ・ラさま"
そうそうそう!
本当にそうなの~~。
ソファの存在って、本当に大きい。
今、新しいソファに座ると、なんか、自分の家じゃ無いみたいな感覚に襲われるんですよ。
他の家具を買い換えるときは、それほど思うことは無かったんだけどなぁ。

やっぱり、猫飼いの宿命ですよね。ソファと植木がボロボロになるのは(笑
でも、怒れないんだけどねぇ~。

サエラさんも、ボロボロになっても、そのソファ大事にしてあげてくださいね!
わたしはいまだに寂しいのよ~。
2012.04.26 20:19 | URL | #- [edit]
mome says...">to ちびさま"
うんうん。
やっぱり、ソファって家の中心にあるし、その他のインテリアもソファにあわせることが多いから、どうしても重要なポジションにいるんですよねぇ。
あんまり急な別れだったので、まだまだ寂しくて!

新しいソファも、そうやってわたしたちの一部になるのかな~と考えるけどまだ先かなぁ。
なんか、座ると、他人の家にいるみたいなの(笑
でも、いつか馴染んでくるのかもしれないですね^-^
2012.04.26 20:22 | URL | #- [edit]

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まとめteみた.【いつもあなたは家族の中心にいた】
このオレンジのソファを買ったのは、13年も前。世田谷に越してきてすぐのことだった。引越しの後、いくつかの家具屋さんを回っていたとき、このソファにめぐり合った。最後の1個だったみたいで、現品限りって書いてあった。座ってすぐに、好きになった。夫くんも、このソ?...