風と幻灯

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いじめ

先日、「ハチミツとクローバー」でおなじみの、羽海野チカ先生の、「3月のライオン」の第6巻が発売されました。
「ハチクロ」も、とても好きな漫画でしたが、この「3月のライオン」も、とっても良いです。
確か、5巻が出たときも、日記に書いたような。

主人公の男の子(高校生)は、プロの棋士。
ですから、もちろん、将棋の話しなんですが、その主人公を取り巻くひとたちと、彼自身の成長を描いている作品・・なのかなぁ?(笑

4巻、5巻あたりは、みっちり将棋でしたが、実はわたしは将棋を全く知りません。
それでも、充分に楽しめたし、「おとこたち」の戦いは、めちゃくちゃかっこよかったです。
特に、もう、「島田八段」が、かっこよくて、かっこよくて・・・♪

今回の6巻では、(5巻の最後の辺りからでしたが)主人公が親しくしてもらっている家の、中学生の女の子が、学校で、いじめにあうお話しが中心になっています。

3月のライオン6巻

わたしは本来、最近の漫画によくある、学校でのいじめが出てくるお話って、好きじゃありません。
陰湿で、いじわるで、見ていると「きーーーーー!」となって、そいつら全員、殴り飛ばしたくなるからです(笑

いじわるなのが、イヤだというよりも(そういう性格のひとは嫌いじゃないし)集団でどうこうって言うのが、ともかく嫌いです。
個人個人がきちんと繋がって、それが輪になっている。と、言うのなら分かるんだけど、なんだか同じ穴の狢みたいなのが、うようよ集まって「仲良しごっこ」をしているのを見ると、気持ちが悪いんですよね。

でも、この「3月のライオン」は、すんなり入ってきました。
陰湿ないじめの描写が、あまり直接的に書かれていないことと、いじめられている側の子の気持ちに寄り添っているところと、いじめられた女の子の周囲の人間の「まっとうさ」でしょうかね。
そういう救いがあったので、嫌な気分にならずに読むことができました。

しかし、今の「いじめ」って、本当に陰湿ですよねぇ。

わたしが子どものころにも、もちろん「いじめ」はあったと思います。
だけど、少し形が違ったかなぁ・・。
わたしが子どもだったころは、無視するとか、匿名で何かをするとか、そういうんじゃなくて、どちらかといえば、馬鹿にしてからかう。って言うのが主流だったような。
まぁ、もちろん、どっちが良いともいえないし、どっちも悪いんですけど。

それで思い出したのが、わたしが中学1年のとき、同じクラスだったK下さん。

彼女の名前をはじめて聞いたのは小学6年生のときでした。
わたしは、小学6年生のときに引越しをして、新しい学校に通ったんですけど、その何週間目かの掃除当番のときでした。

一緒の掃除当番の女の子(明るくて元気で可愛くて人気者)が、掃除場所であった裏庭の倉庫の鉄のドアに、「K下○○子のバカ」と石で書き込んでいたんですね。
で、それを見て「K下さんって誰?」とわたしが聞くと「バカ」とだけ答えたので「なんで怒ってるの?」ともう一度聞くと「T長(クラスの男子)に、わたしたちかわいい~?って聞いたら、K下よりはな!って言ったから!」と答えたのでした。

つまり、比べられること自体、腹立たしいほどの相手だったのでしょう。

でも、当時のわたしは、それがよくわからなくて、「ふーん?」と思っていたので、すごく記憶に残ってるんですよね。

それで、数ヶ月がすぎて、小学校を卒業し、地元の中学に入ると、同じクラスに、その、K下さんは、いたのでした。
「あぁ、彼女が、あの、K下さんかぁ・・」

どうやらK下さんは、もうずっと小さいころから、ほとんどの子に嫌われていたようで、友達はひとりもいませんでした。
そしてK下さんは、なんというか、確かに、ちょっと変わった雰囲気を持つ女の子でした。

中肉中背なんですが、天然パーマと思われるくりくりの髪の毛は、量もすごく多いようで、しかも中途半端な長さに伸びていて髪も結んでいないし、とても頭が大きく見える。
ぼわ~っとした大きな頭と、猫背で歩く姿。
顔はいつも赤らんでいて、ニキビ痕なのか、荒れたような肌。
そして、とびきり勉強が出来ない子だった。

学校をたびたび、途中で帰ってしまうようなこともあったので、今にして思えば、もしかしたら、何かしらの軽度の障害があったのかもしれません。
もちろん、当時は、そんな風に思っていませんでしたが。(学習障害なんて言葉もなかったかも?いや、わかんないけど)

そんなK下さんでしたが、わたしは特に、嫌なことも無かったし、すきでもきらいでもなかったので、まぁ、無関心でしたので、普通に接していたのだと思います。とっても部外者的に。

そんなある日、いつものように、K下さんが、クラスのにぎやかなグループにからかわれていて、「ねぇ、何の歌が好き?」「じゃぁ、それうたってよ!!ギャハハハハ!!」とか「何の花が好き?」「え?ひまわり?」「○○ちゃんと一緒だねー」「やめてよーーー!」「ギャハハハハ!!」とかやってたんですよね。

わたしは、「あぁ、またやってるよ」くらいの感覚でいて、他の友達と話をしていたんですが、暫くすると、そのにぎやかなグループの子たちがゲラゲラ笑いながらやってきて、「ちょっと!momeちゃん!」と話しかけてきたんです。

「なにー?」と答えると「今さー!K下に、変われるなら誰と変わりたい?って聞いたらさー!momeさんか、I田さんって答えてたよーー!!」と大きな声で笑い、いじわるそうな顔をしました。
「ふうん。なんで?」とわたしが聞くと「しんない~!どーう思う~?」と、またゲラゲラ笑い、いじわるそうな顔。

あぁ、なるほどね、つまり「イヤだ」とか「不愉快」だとか「迷惑」だとか、言って欲しいのね?
すぐに分かったけど、そういう仲間に入るのは、ごめんだったので、困ったようにもじもじと見ているK下さんの所へ歩いていき、「なんでわたしとI田さんなの?」と聞いてみた。
K下さんは、うつむきながらも、うれしそうに「ふたりとも優しくて、わたしをいじめないから・・」と答えた。

まぁね。
I田さんは分かるんだ。
ほんと~~~にね、優しい、The女の子!って感じの子で、フエルトでお人形とか良く作ってて、わたしにも作ってくれたりして、おとなしくて可愛くて、敵がいなかった。
でも、わたしは無関心だっただけなんだけどな。
ついでに、集団でどうのこうのが、昔から嫌いだったから、そういう仲間に入らなかっただけなんだけどね。

だからわたしは「そう。I田さんは良いね。わたしも変わりたいくらいよ」というと、K下さんは、本当に嬉しそうに笑った。

にぎやかなグループは、当てが外れたように、所在をなくしていた。


その後、K下さんとは、クラスも別れ、卒業までほとんど縁が無かった。
いつだったか、運動会があった日の夜、近所の神社でお祭りがあり、友達と出かけると、そこにK下さんの姿を見たことがあった。
K下さんは、お父さんとお母さんと一緒にお祭りに来ていて、なぜか、緑色の学校指定のジャージのままで、鉢巻まで巻いた姿でお祭りの会場にいた。
「やっぱり、かわってんなぁ・・・」と、そのとき思った。

そして一度、3年生の冬に、わたしのクラスにK下さんが来たことがあった。
わたしを見て、うれしそうに「高校に受かった」と教えてくれた。
彼女が入った高校は、あれ?高校なのかな?専門学校?
調理師さんの勉強をする学校で、そこでもまた、彼女をいじめている数人が「あそこの学校の受験問題は、足し算とかなんだって!!ギャハハハハ」とやっていたけど、「良かったね、おめでとう!」と言うと、「ありがとう」とうれしそうに答えた。

なんでわたしのところに言いに来たのかなぁ?今もって謎だけど、うれしい出来事を報告する相手が、わたししかいなかったのだろうけど、わたしも別に付き合いがあったわけじゃないんだけどな。

卒業後、数年した頃、電車で偶然にK下さんに会うことがあった。
彼女は、地元から3つ、4つ離れた駅にあるピザを出すレストランに就職したようで、働いてお給料を貰っていると言っていた。
夏、だったのかな。
白いひらひらとしたワンピースを着ていて、「今度、食べに来てね」と言った彼女は、少しだけ変わって見えたような気がした。


わたしは、その店に行くことは無かったし、その後、実家の引越しで、遠くなってしまったので、彼女のその後は知らない。


わたしが、こんなことを何十年も経って思い出すように、彼女もわたしを思い出すことはあるのだろうか。

「あのひとは、優しかったんじゃなく、無関心だったんだわ」と気づくのであろうか。

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6 Comments

Lana says..."ふみゅみゅ…。"
K下さんにとっては、いじめないでさえいてくれれば=優しい人、という
括りで、優しい人と無関心な人との別は、関係ないような気もしますね…。

それに恐らく、にぎやかなグループのことに加え、momeさんや
I田さんのことも、もう思い出すこともないような気もします。

もちろん、まるっきり過去の記憶が遡れないということじゃなくて、
自然に「忘れるように出来ている」んじゃないかなぁと。
そうでもないと、いじめられたことのフラッシュバックに潰されて
“生きていけない”(今の生活を送れない)でしょうから。
仮にK下さんが、(彼女的に思う)優しかったmomeさんやI田さんの
ことを思い出すことがあるとすれば、それは自動的に、にぎやかなな
グループにいじめられていたことを思い出すことに繋がると思いますんで。

この話の中で救い(?)だったのは、K下さんの答えに、にぎやかな
グループが、「ただ当てが外れたように所在をなくしていた」こと。
momeさんが意図しなくとも、結果的に「自分たちのメンツを潰した」
momeさんに対しての嫌がらせがなかったとすれば、それは救い
だと思います。

momeさんと同年代のわたしの中学生時代にも、そうしてそんな
グループがいじめのターゲットを変える、なんてことがありましたしね。
それに、今でもありません?それも子どもどうしの話じゃなくて、
子ども繋がりの保護者間で。
自分のグループに加わらない限りは、その人のことも敵視するの。
およそ「ちんまい」ですよねぇ。f(-_-;)
2011.08.08 11:24 | URL | #- [edit]
mome says...">to Lanaさま"
あぁ~・・・。
なんと言うか、想像できなかった意見を頂いて、目から鱗状態です。

そういえば、この「3月のライオン」という話も、その少女がいじめられるきっかけになった出来事があって、それは、いじめられていた友達をかばったことが原因だったんですよ。
で、その少女が転校してしまい、いじめのターゲットが彼女に移ったんですねぇ。
それはやっぱり、良くあることなのに、自分自身が、その危険性を持っていたことに、まーーーーったく気づいていませんでした!(鈍い!)

幸運にも?わたしは、表立ったいじめにあったことがなく(影口くらいは言われてただろうけど 笑)今の今まで来てしまったので、もうひとつ、Lanaさんが仰っている「K下さんの気持ち」も分からなかったなぁ。
そうだよねぇ、わたしや、他に彼女をいじめなかったひとを思い出すということは、いじめられていた記憶も一緒に思い出すことなんですもんねぇ・・。
あー。
なるほどなぁ・・・・。

いやなんかほんと、すごく新鮮な目線で衝撃的でした。

保護者間でのいじめ?仲間はずれみたいなのも、あったようですよね。
そういうのも、ホント、馬鹿馬鹿しくて関わらないようにしてきましたが・・・はっ!もしかしたら、関わらないようにしてきたんじゃなく、向こうに無視されて、相手にされてなかったのかも!(笑
気づかないのも幸せかしら・・。

まぁ、サル山の仲間意識には困ったモンですよね(笑

でも、こんな面白い(って言ったらいけないのかなぁ?)見方を聞くことが出来て、ホント記事にしてよかった~って思いました^-^
2011.08.08 14:57 | URL | #- [edit]
トマシーナ says...""
考えさせられるお話でした。
私は決して優しい人間ではありませんが、
『異質な人間を排除する』ということは
なるべくしないようにしています。
それは私自身が異質な人間だったからです。
私はいろいろな事情があり、5つの小学校に通いました。
転校生って実はとっても異質な存在なのですよ。
イジメにあったこともあったかなぁ~。
同質であることって安心感があるんでしょうね。
因みに私は今でもそうなんですが、
どんな組織に属してもいつでもちょっと異質の人です。
面白いもので、完全に異質だとイジメられるのですが、
ちょっと異質だとそうでもないのです。
脈絡のないコメントになってしまってごめんなさいね<(_ _)>
2011.08.08 16:11 | URL | #- [edit]
mome says...">to トマシーナさま"
異質なもの、知らないもの、そういうものは恐怖なんでしょうね。
怖いから、なんとかしたいと思う。そうして、排除して安心したいんですよねぇ。
なんともみみっちい話です(笑

転校生は、やっぱりチョット、特別なものですよねぇ。
わたしは一度だけですが、やはり転校して、「転校生」と言うレッテルで暫く過ごしました。
まぁ、わたしの場合、転校3日目くらいに、クラスの男子を怒鳴りつけ、また違う意味で、違うレッテルも貼られたようでしたが(笑

そうかぁ、トマシーナさんは、独特のムードのあるひとなんですねぇ^-^
わたしは、そんな風に、「ちょっと異質」なひとのほうが好き(笑
2011.08.08 17:43 | URL | #- [edit]
norori* says...""
う~ん、、、(-公- )
私もどちらかと言うとmomeさん派かな?
特に無関心の人とは関わらないというか相手にせん( ̄‥ ̄)

K下さんにとって、momeさんだけが唯一普通に会話出来る
クラスメイトだったのですね。
まさか無関心だったけん、いじめんかったって気づかんめぇ?(・∀・;)
結局はそうであったにしてもmomeさんの優しさなんですよね^^
子供の頃から周りに流されずしっかりしてらっしゃるmomeさんて
なんだかすごく頼もしくって尊敬です!!
2011.08.08 20:33 | URL | #- [edit]
mome says...">to norori*さま"
周りに流されず・・と、言うよりも、やっぱりちょっと変な子だったのかも(笑
今でもそうなんだけど、強制されることが大嫌いで、たぶん協調性が欠けてる。
まぁ、今は大人だから社交でカバーしてるけれども(笑

当時は何も考えないでやってきたけど、むしろそれがよかったのかもしれないなぁ。
シンプルでねぇ。
2011.08.09 12:44 | URL | #- [edit]

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