風と幻灯

家族のこと、猫のこと、日々の暮らし。
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いつか花のいちぶとなって

昨日の朝、たぶん明け方頃に。
ツタが死んでしまいました。

数日前から予兆と、トラブルがありました。

2週間ほど前から、ツタのあの、美しかった青色が、どんどんと退色してきて、うすいグレーの色合いになってきて、大好きな赤虫も残すようになっていました。

今まで、ぐったりとした様子だったり、また復活したりを見てきましたが、なんとなく、「今回は、ちょっとまずいかもしれない」と言う気持ちがありました。

水槽から、ボトルに移し、少し塩を入れた水の中で、休ませるようにしました。

ボトルでは、猫たちからの危険があると思い、娘の部屋に移動させて、静かに様子を見守ってきました。


息子が、ショートステイに泊まりに行った夜、いつもは、ポロとニケはケージの中で眠るのですが、おとなしく、息子のベッドで丸くなっていたのを見て、「息子も居ないし、呼吸器にじゃれることもないし、今日くらいはいいか」と、そのままに寝かせてしまったのが、わたしの甘さでした。

朝、ガタンと玄関のドアが閉まる音で、うっすらと目が覚めました。

時計を見ると、すでに9時近く。
「あ、寝坊したな」と、自分と娘に対して思いました。

息子を、起こす予定が無かったので、目覚まし時計をかけ忘れていたんです。

10分くらいかけて、のろのろと起きだして、リビングに向かいながら、なにか違和感というか、「あれ?」と思っていました。

そうだ。猫たちがいない。

寝室に戻って、ベッドを確認してもいないし、リビングにもいない。

ふと見ると、リビングの扉が少しだけあいていました。

普段は、リビングの向こう側の部屋に行かないように、閉めてある扉でした。

リビングの扉の向こうには、廊下と水周り、わたしの部屋、夫の部屋、娘の部屋がありました。

嫌な予感がして、慌てて廊下に出て、さっと目を走らせると、娘の部屋の扉が、少し開いていました。
いつも、閉めるように言っていた扉でした。
たぶん、寝坊して、慌てて出て行ったので、閉め忘れたのでしょう。


走り寄って、娘の部屋の扉を勢いよくあけると、そこには、ポロと、タキと、ニケが等間隔で座っていて、その真ん中は、大きな水溜りが出来ていました。
そして、水溜りの中央には、ツタの入っていたボトルが転がっていました。

一瞬で、すべてを悟って、わたしは、悲鳴を上げました。


その声に驚いて、夫が起きだしてきて、「どうした」と近づいてきて、娘の部屋を見て、夫も、何が起こったのか知ったようでした。

ツタの姿が、どこにも見当たらず、わたしは、あぁ、食べられちゃったんだ。食べられちゃったんだ。と思って、がたがたと震えました。

涙は出ずに、ただ、呼吸だけがどんどんと速くなって、軽い過呼吸を引き起こし、苦しくて苦しくて手を口元に当てて、なんとか呼吸を整えようとしました。
夫も、その様子を見て、わたしの口元に手を丸くして添えながら「ゆっくり、ゆっくりな」と繰り返していました。

わたしは、若い頃から、強いストレスなどがかかると、過呼吸になってしまうことがよくあって、自分も夫も、その対処法は、良く知っていたのでした。


少しして、わたしの呼吸が落ち着くと、夫は「ともかく、水を拭かないと」と言いました。

タキは、わたしの悲鳴を聞いて、すぐにリビングへ逃げ出したけど、ポロとニケは、何が起こったのか分からない様子で、ただ、その場で固まってわたしたちを見ていました。

大きなバスタオルを持ってきて、娘の部屋の水を拭き始めると、夫が「ツタは?」と聞きました。

「いないの」そう答えて、やっと涙が出てきました。

「そうか・・」と夫が答え、扉の裏側を拭こうと扉を閉めたとき、「いた!!」「生きてる!」と夫が大きく叫びました。

瞬時にその言葉に反応して、「うそ!うそ!」と叫んで、慌ててボトルを握り締め、水を汲みにキッチンへ向かいました。

水を汲んで、カルキ抜きの薬をいれ、急いで娘の部屋に戻り、「手で大丈夫かな?」と言う夫に「うん」と頷いて、ツタをボトルに戻してもらいました。

ツタは、頭の上に、大きな傷を負って、ヒレはボロボロになっていましたが、生きていました。


実は、ツタを飼う前に、違うベタを飼っていました。
名前は「ベタオ」と言って、紫のきれいな子でした。

その頃わたしは、ベタの飼育について、ほとんど知識がなく、「コップで育てられる」という売り言葉を信じて、水槽ではなく、ボトルに入れて飼っていました。

実は、ベタという魚は、よく飛び跳ねることが多く、それが原因で、コップの外に出て死んでしまう子がいると知ったのは、同じようにして、ベタオが死んでしまった後でした。

ベタオは、ある日、飛び跳ねてボトルの外に出てしまい、気づいて戻したときにはもうだいぶ弱っていて、翌日に星になってしまったのでした。

そんなことがあったので、ツタを飼うときは、とても慎重になっていて、水槽やヒーターを用意し、たくさん勉強して迎え入れました。


でもきっと、ベタオのように、ツタも、翌朝には死んでしまうかもしれないと思い、また、わたしたちのせいで、死なせてしまうんだと、本当に後悔しました。


けれどツタは、その後も頑張ってくれました。

傷がひどいので、2,3日、エサを与えずにして、様子を見守ってきました。
ツタは、ボロボロになったヒレで、それでも、元気そうに動き回ることも増えて、数日後には、赤虫も少し食べるようになり、「よかった。持ち直してくれた。よかった」と家族で言い合っていたのでした。

そして、一週間。

ツタは、がんばって生きてくれました。


昨日の朝、目を覚まして、自室でPCの電源をいれ、メールの確認などをしていると、娘が、ツタのボトルを持ってやってきて、「ママ、ツタちゃん、死んじゃった・・」と言いました。

「え?」と答えて、手を差し出すと、娘がわたしの手にボトルを乗せてくれました。

ツタは、灰色になって、沈んで動きませんでした。

水は、昨日まできれいだったのに、薄く濁っていました。

でも、もしかしたら、寝ているのかもと思って、ボトルをトントンとたたいてみたけれど、ツタは動きませんでした。

「ツタ・・」と言って、ボトルを額に押し当てて、何かツタに言おうと思ったのだけど、言葉は出てきませんでした。


そして、少しして、娘に、「薔薇を植え替えて、そこにツタを埋めてあげよう」と言いました。


娘からもらった、バタースコッチが、だいぶ根詰まりしていたので、植え替えようと思って、土や鉢などを購入してあったのでした。

娘と二人でベランダに出て、薔薇の植え替えをしながら、底の方に、ツタを埋めました。
「ありがとうね」といって土をかけると、娘も「わたしも」と言って、土をかけました。

すごくすごくきれいな魚でした。

ひらひらと泳ぐ姿は、見飽きることが無くて、「いつも水槽の前にいるな(笑」と夫は良く笑って、わたしをからかいました。

エサをあげるときに、水槽の蓋を開けると、すぐに寄ってきて、固形フードを持ったわたしの手をつつきました。

ツタ、たくさんありがとう。そしてごめんね。

もっと、ちゃんと管理してあげればよかった。


ツタの上に、薔薇を植え替えて、土を盛って水をあげました。


次にバタースコッチが咲いたら、ツタの花だねぇと、娘と言いました。


もう、魚は、飼えないかなぁ。

猫に、魚を取るなって言う方が無理だものね。


でも、本当は、また魚を飼いたい。

ベタを飼いたい。


でも、もしもまた、ベタを迎え入れると決めたら、徹底して管理してあげないといけないね。

まだまだ、先のことだなぁ。


命だからね。

簡単にはいかないね。


ツタ

4月10日撮影、最後のツタの写真。

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12 Comments

アビmama says..."蘇れツタちゃん!"
ツタちゃん残念でしたね・・・

そう言えば過去記事を読ませていただいた時にツタちゃんのこと読んだな
と思って今もさかのぼってツタちゃんの記事読みなおしましたよ

ブロ友さんのところで金魚がなついている記事を読んだことがあります
私も以前いろいろなお魚やコバンザメなど飼っていたことがあるのでわかりますよ

ツタちゃんはバタースコッチになって生まれ変わるんだね
来春の開花が楽しみですね
2011.05.05 14:37 | URL | #0ej1hy.w [edit]
mome says...">to アビmamaさま"
そうなんですよ。
魚も、懐くんです。

わたしは、ツタを飼って、初めてそのことを知りました。

確かに、同じペットとはいえ、猫や犬と違い、触れ合う機会はとても少なく、正直温度差のようなものはあるのですが、それでも、わたしはツタが居ることによって、とても楽しい日々を過ごすことが出来たし、たくさん心配したりもして、わたしなりに愛してきました。

今日、ツタの水槽を洗って、これからしまうのですが、思うのは、可愛かったなぁと言うことと、寂しくなったな。ということです。

花、咲くといいなぁ。
2011.05.05 17:14 | URL | #- [edit]
サ・エ・ラ says...""
ツタちゃん、力の限り、頑張って生きぬいたんですね。
小さな小さな体でも、尊敬に価する、一生だと思います。

命ある間、精一杯かわいがって、亡くなったら心から別れを惜しむ…。
どんな生き物が相手でも同じことなんですね。
気休めに聞こえるかもしれないけど、ツタちゃん、幸せだったと思う!
だって、momeさん一家で、こんなに愛されたんだもの。
きっと来年、お花になって帰ってきてくれますね。
2011.05.06 01:05 | URL | #DDJALrL2 [edit]
norori* says...""
ツタちゃん、、、亡くなっちゃったのですね。
でも、よくここまでがんばって生き抜きましたね!
ありとあらゆる手段でツタちゃんを回復に持ち込み、
momeさんは、ツタちゃんに充分過ぎるほどの愛情を
注いできたのではないでしょうか?
薔薇の花の一部となって、またツタちゃんに会えるなんて
とっても素敵な事ですね。
ツタちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。
2011.05.06 07:21 | URL | #- [edit]
Tomotan says...""
つたちゃん。 来年はバラになって帰ってくるね。 バタースコッチが1本ツタちゃん色になったら素敵。
Momeさんは本当にやさしいですね。
きっと気持ちが届いていると思います。
お魚の天国でツタちゃんキット自慢してるよ。
ご冥福をお祈りします。
2011.05.06 10:34 | URL | #- [edit]
ゆう says...""
ツタちゃん、最期まで本当によく頑張りましたね。
猫たちに食べられてなくて、本当に本当に良かったです。
そんな最後はmomeさんにとっても辛すぎるし、娘さんもmomeさんも、自分のせいだと自分を責めてしまったでしょう。
だから、そんな最期じゃなくて、本当に良かったって思います。
momeさん家族に愛されて優しく見守られて、ツタちゃんはすごく幸せだったと思います。

今度は綺麗な薔薇の花を咲かせてくれますね。
私も、またツタちゃんに会えるのを楽しみにしています。
2011.05.06 13:40 | URL | #- [edit]
カズペコ says..."残念でしたね"
momeさんの愛情をたっぷりうけて
ここまで生きてこられたツタちゃん
幸せだったと思います。
バタースコッチとともに
ずーーとmome家と一緒、ですね。
2011.05.06 15:31 | URL | #- [edit]
mome says...">to サ・エ・ラさま"
ツタは、我が家に来た翌日から、横たわって見たり、便秘になったりと、大変心配ばかりかけてくれましたが、本当によく頑張ってくれたなぁって思います。
本当は、もうちょっと長く、居て欲しかったし、そうすることも出来たのだと思うと、やはり後悔はありますが、なんか、後悔とかよりも、ツタ、可愛かったなぁって事の方が気持ちを多く占めているんですよね。
だから、自分なりに、少しは納得しているのかもしれません。
お気持ち、ありがとう^-^
2011.05.06 22:43 | URL | #- [edit]
mome says...">to norori*さま"
本当にねぇ。
生き物の差別をするわけじゃないけど、まさか、魚がこんなに可愛いなんて、ベタを飼うまで、知りませんでした。
地震が起こった後も、本当に、ツタはどうやって避難させればいいんだ??と、思い悩んだことも(笑

何度も何度も、生死の境をさまよって?なんだかんだと2年半、我が家に居てくれました。
いろいろ、ツタから学んだなぁって思います。

お気持ち、ありがとうございます^-^
2011.05.06 22:47 | URL | #- [edit]
mome says...">to tomotanさま"
ふふふ。
わたしもね~。ツタの色の薔薇が咲けば良いのに!って思ってたんですよ~(笑
でも、青だからなぁ。青い薔薇が咲いたら、本当に奇跡ですね。
魚も、きっと虹の橋に行くと思うから、ひらひら泳いで待ってて欲しいなぁ。

先代のプーや、ベタオ、ツタ、ちっちゃい頃に買っていた鳥たち。
愛した子たちが待っているかと思うと、死ぬのも案外悪くないかも。
まぁ、まだまだ先のつもりですけど(笑

お気持ち、ありがとう^-^
2011.05.06 22:52 | URL | #- [edit]
mome says...">to ゆうさま"
そうなんですよ、そうなんですよ。
もしも、食べられちゃってたら、ニケにも辛く当たってしまいそうで・・。
って、ニケが犯人扱いですが、たぶん、かなりの高確率でニケなんですよねぇ。しでかしたのは。

だから、そんなことにならないで、本当に良かったって思っています。

怪我やショックが、やはり原因なのだろうと思うけど、それまでの経緯もあったし、覚悟もしていたので、自分が想像していたよりも、すんなりと受け入れることができました。

本当に、きれいな、きれいな子だったんですよ。

わたしも、薔薇が咲くのをとっても楽しみにしています。
今年はひとつしか咲かなかったけど、来年はもっと咲いてくれるかもしれません^-^

お気持ち、ありがとう~
2011.05.06 23:09 | URL | #- [edit]
mome says...">to カズペコさま"
ほんとうにねぇ。
可愛がっても、可愛がっても、もっと可愛がってあげればよかった~て思ったり。
でも、自分なりに愛情は、たっぷり注いだつもりです。

バタースコッチは、娘からの大事な贈り物なので、がんばって枯らさないようにして育てていくので、ずっと、ツタの墓標になってくれると思います。
うん。決めた。
わたしのお墓には、バタースコッチをそのまま植えてもらいます!(笑

お気持ち、ありがとうです^-^
2011.05.06 23:12 | URL | #- [edit]

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