風と幻灯

家族のこと、猫のこと、日々の暮らし。
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やはり、疲れていたようです。

あの地震が起こってから、毎日、毎日、テレビを見続ける日々でした。
わたしは、専業主婦ですから、一日中家にいます。
こんなに、テレビを見続けた日は、過去になかった。

次から次へと起こる出来事に、きっと頭も心も、ついていけなかった。
疲労は、いつしか蓄積し、災害から一週間たった金曜日、わたしの精神状態は、落ちにおちました。

頭痛と、胃痛と、倦怠感と、何度か嘔吐しました。



そもそも、ことのおこりは、地震の起こった11日。
その夜、まだ余震の続く中、わたしは、娘に、とても大切なことを伝えました。

次に、大きな地震があったとき、まず、アナタは何を置いてもひとりで逃げなさい。と。
そうして、もしも余裕があれば、猫たちを連れて、ひとつの荷物を持って、逃げなさい。と。
猫たちは、車の中に置いて、アナタは避難所に行きなさい。
動けるようになったら、車の中の猫たちを見てあげてね。

そう伝えると、娘が言いました。

ママと景ちゃんはどうするの?

ママは、景とここに残るしかないから。ここで、救援を待ちます。そう答えると、娘は少し困ったような顔をしましたが、とにかく、まず自分、余裕があったら猫と自分。分かった?というと、「うん」と頷きました。


息子は今、40キロ近い体重があります。
息子は、立つことはもちろん、支えなしで座ることもできませんから、全介助になります。

普段の暮らしの中でも、わたしは、息子を抱きかかえることが、もうすでに、出来なくなっています。
オムツを換えることも、ベッドに寝かすことも、朝起こして車椅子に乗せることも出来なくなりました。

夫がいるときは、もちろん夫が。
いないときは、ヘルパーさんがほぼ毎日のように入ってくれています。
そして息子のオムツを換えたり、お風呂にいれてくれたり、寝かしつけてくれたりしています。

そうやって、ひとの手を借りないと、我が家の暮らしは成り立たないのです。

もしも、地震が起こったら。
避難しなくてはいけないほどの地震だったら(地震だけではなく、火事などもですが)
まず確実に、エレベーターが止まるでしょう。
エレベーターが無くては、息子を外に連れ出すことができません。

だから、わたしと息子は、どれほど危険でも、家に残るしかないのです。


あの日から、ずっと考えています。
どうやったら、息子の身を守ることができるだろうかと。

家の中の、どこが安全なのか。
梁の通っている部分と、そうでない部分は、どちらがより安全なのか。
マットレスは役に立つだろうか。
玄関のそばがいいのか、窓のそばがいいのか、部屋の奥がいいのか。
いや、廊下にだけでも出ておいたほうがいいのか。
彼の車椅子に、ぐるぐるとマットレスや布団を巻いて、万が一に備えたほうがいいのか。
彼の細い骨は、衝撃に耐えることができるだろうか・・。

それとも、足のひとつやふたつ、折れても構わないからと割り切って、どうにかして彼を外に連れ出すほうがいいのだろうか?
ソファのカバーでぐるぐると彼を巻けば、背負うことができるかもしれないとか。
ひきずってでも、歩くことができるかもしれないとか。

もちろん、万が一の災害のために、「災害時要支援者登録(地域によっては、災害弱者登録とも呼ばれています)」と言う消防署への登録は済ませてある。
けれども、あの規模の災害が起こったら、もっと小さくとも、避難が必要なほどの災害が起こったら、うちに助けが来る順番は、どれくらい後になってからなのだろうと。

やはり、毎日、考えました。

こんなときでも、夫の仕事は忙しく、と、いうより、こんなときなので、夫はますます忙しく、(夫は、とある医療グループの新聞を作っていますので)余震のたびに、夫がいないことを不安に思いながら、息子の車椅子のそばに寄り添いました。

毎日、本当に不安でしたが、祈るしかありませんでした。

一週間が経って、余震もだんだんと落ち着いて、やっと少し気が緩んで、そうして緊張がほぐれるのと同時に、落ちました。

夫にメールをすると、とにかく休みなさいと。
その日の夜は、テレビを消して、少し早めに眠ることにしました。


ポロちゃんの夢を見ました。

まぁるくなったポロを、抱いている夢を見ました。


朝起きて、すぐにポロを抱きました。

ゴロゴロと喉を鳴らす、小さくて暖かいポロが腕の中にいて、わたしの気持ちはだいぶ安らぎました。

ポロを撫でながら、思ったのは、被災地の方々のことでした。

もしも、ペットがそばにいたら、どれほど安らぐことができるだろうと考えました。
考えていると、涙がこぼれました。

ポロを抱いて、少し泣くと、気持ちはようやく落ち着いてきて、明け方に帰ってきた夫の顔をみて、また、さらに気持ちを取り直して、やっと、テレビのバラエティ番組を見ることができるようになりました。
家族みんなで、笑いました。



土曜日、宮城に住む夫の友人たちとも連絡が取れました。
とりあえず、仲の良かった友人たちは、全員無事でした。

ひとりの友人に電話が通じると、「今、銭湯に並んでるんだよ!」と元気な声が返ってきたようです。
仙台市内に、プロパンで沸かしている銭湯があるとのことで、久しぶりのお風呂を喜んでいました。

津波の被害にあった宮城野区の親戚とも連絡が取れました。
家は水に飲まれてしまったけれども、家族全員が無事で、今、市内にアパートを借りて移っているとの事。
安心しました。

夫の実家の母も、家がプロパンだったので、煮炊きもできて、灯油のストックもあったので、寒さも耐えられたと。
電気もやっと通じて、「今日からコタツに入れる」と喜んでいました。
義母は高齢の一人暮らし、水や食べ物を心配していましたが、ご近所の方々が、お水を運んできてくださったり、食べ物を届けてくださったりして下さったようです。
本当にありがたいことです。
宅配便が復活したら、ご近所の方たちにも、お礼を送らなくては。
甘いものでも食べていただいて、どうか元気になりますように。

義母は、宮城野区の親戚(義母の姉の家族です)をとても心配していて、少し落ち着いたら手伝いに行かなくては。と、言っていました。
命が助かっただけでも・・・と、もちろん思うのですが、やはり、これから生きていくことを考えると、その被害はあまりにも大きすぎるものです。
家も、何もかも、一切が、水に流されてしまいました。

復興は、時間がかかるものです。
先日も、テレビでボランティアのひとたちを見ました。
まだ、受け入れ態勢が整っていないため、ボランティアのひとたちのほとんどが、何もできずに待機を余儀なくされていました。

いろんな意見があるかと思いますが、そうやって、名乗りを上げて実行することは、わたしは素晴らしいと思う。
何もしないでいるひとたちよりも、ずっと。

でも、ひとつ、わすれてはいけないのは、それが、長期にわたって必要とされることなのです。
今すぐ。じゃなくてかまわないのです。
ずっと、長い間、し続けることが大事なのです。


まだまだ支援物資が届いていない危険な区域もたくさんあると聞きます。
そういう危険区域には、マスコミも入ることができないので、報道もされません。
一日も早く、救助の手が伸びることをお祈りしています。

だらだら3にゃんず

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8 Comments

tomotan says..."こんにちは!"
Momeさん、ツイートの下に新しい記事があるのを知りませんでした。すいません。 今3つ読みました。
まずMomeさんの母としての強さと覚悟に心打たれました。
家に残らざるを得ない、、そういう方も多いんですよね。
それから原発の危険性について。 こちらではずっと報道していますね。 Yokoblueplanetさんが発信し続けていますが、ついに反対コメントなどが始まっています。
ただ、こんなときなので私もあまり不安をあおりたくないなと思っていますが、、。
旦那様お疲れ様です。お忙しそうですけど体に気をつけて。
MOMeさんもゆっくり休んでくださいね。
2011.03.22 11:24 | URL | #- [edit]
ゆう says...""
momeさん、大丈夫ですか?
こういう時、母として、いろんな事を考えなくてはならなくて、本当に大変だと思います。
自分ひとりの問題ではないですもんね。
なんてコメントを残したら良いのかわかりませんが、ご家族のみなさんと、テレビをみて笑えるようになって本当に良かったです。

2011.03.22 14:05 | URL | #- [edit]
mome says...">to tomotanさま"
そうなんです。
本当にわたしは、間が抜けてると言うか、ぼんやりしてるというか・・馬鹿というか・・。
エレベーターが止まってしまうことを、地震が起こったその日まで、思いついていなかったんですよ!
こういうことを想定していたら、住む家は、1階にしておくべきでしたよねぇ。

きっと、同じように、障がいや、高齢者の方々と暮らすご家族も、不安な思いをされていることと思います。
今回、被災にあわれた施設やホームなどでも、移送の手段にだいぶてこずっていましたものね。

原発に関しては、海外メディアでは、かなりの量での報道があるようですね。
各国の大使館も、日本に住む自国民に対して、避難(帰国など)をさせていますし、アメリカでは、80キロ圏外への避難を呼びかけていると聞きました。

万が一の危険が、本当にあるのなら、日本でも早急な対応をしなくてはいけないんじゃないかと思っています。
(日本は30キロ圏外ですので)
何事もおこらなくとも、最大の安全策をとるべきだと思うのですがねぇ・・・。

不安をあおるつもりは、もちろん、毛頭ありませんが、本当に正しいことを考えて実践してもらいたいですね。
2011.03.22 15:09 | URL | #195Lvy4Y [edit]
mome says...">to ゆうさま"
ご心配かけてしまってごめんなさい。
そしてありがとう!
わたしは、大丈夫ですよ^-^

アップダウンはもともと激しいし、落ち込むことも多々ありますが、猫と、家族と、友達と、こうしてブログで知り合ったみなさんとに支えられて、一歩一歩乗り越えて進むのみです!(笑

やっぱり、被災地の方へ思いを寄せることも大事だし、もしもの時に備えることも大事ですが、なるべく引きずられないようにして、元気に過ごすことを目標にして、がんばって行きます。

連休は、家族でDVDなども見ました。
そういうお話もまた、少しずつ書いていこうと思っています。
2011.03.22 15:13 | URL | #195Lvy4Y [edit]
norori* says...""
momeさん、大丈夫ですか?
本当、この1週間は長かったですね。
疲れが出てしまい、体調崩されてしまったなんて・・・

いざって時、息子さんを背負って逃げるって事は
困難な状況なのですね。
不安になると、色々な不安な事が次々と
頭に浮かんでしまう、、苦しいですよね。
なんとかしてあげたい。

momeさんひとりでがんばらなくていいのでは?
いざって時、ご近所さんのお力を借りられないですか?
息子さんが40kgなら、男の人なら余裕でおんぶ出来ますよ!
大丈夫!
今、こうして助け合い、励まし合い、前向きにがんばってる日本です。
必ず手を差し延べてくださります!

とにかく、今はゆっくり休んでくださいね。
私はいつだってmomeさんを応援してますよ!
2011.03.22 17:12 | URL | #- [edit]
mome says...">to norori*さま"
ご心配かけてしまい本当にごめんなさい。
でも、大丈夫です!

そうなんです、先日、地震のあった日に、ちょうどマンションの管理人さんや管理組合の方とお話しをすることができて、エレベーターが止まってしまったら、運び出せないって、言ってみたんですよ。
そうしたら、「頭に入れておきますね。うちの息子にも伝えておきます」と言ってくださって、本当に有難い思いをしました。
が、やはり、緊急時になったとき、どこまで援助をお願いできるかも分からず、ちょっと悩んでしまいました。

後は、1階に引越しかなぁ~なんてことも考えています(笑

でも本当に、ここ最近のたくさんのひとを見ていると、日本、捨てたモンじゃないな!って思いますよねぇ。
本当に、たくさんのひとの心がひとつになって、がんばっている。
被災地にいる義母も、ご近所の方々から、本当に良くしてもらっていて、安心することができました。

nororiさん。
いつも本当にありがとう^-^
2011.03.22 18:06 | URL | #195Lvy4Y [edit]
ローズキャット says..."こんばんは"
父は学生の時に、台風で家を流されたことがあります。
その時に、可愛がっていた猫が流されてしまったんだそうです。
父はたまたま違う土地にいて助かったけど、
70歳になった今でも、その猫を思いだすんだそうです。

週刊誌で、犬や猫を亡くした人の悲しい記事を読みました。
ずっとずっと後悔し続けるのかと思うと、
なんと声をかけていいのかわかりません。

momeさん、まだ地震や余震が続いtますが、
体調に気をつけてください。
そして、全てを自分で背負わないでください。

自分では気づいてないだけで、
力を貸してくれる方は近くにいますよ。

そして、御親戚の皆さんがご無事で良かったですね。
国の援助が、隅々まで行きわたるように願います。
2011.03.22 23:48 | URL | #- [edit]
mome says...">to ローズキャットさま"
ありがとうございます~。

ペットを失くしてしまう。
それが、天寿をまっとうしたとはいえない形で。
いつまでも、いつまでも悔やむ気持ちが残ってしまいますよね。

小さな命が、どれほどまでに、わたしたちを救ってくれるか・・。
一匹でも多くのペットたちが、無事、家族の元に帰れることを祈ってやみません。

今日も地震が何度かありました。
もちろん、東京での揺れなんて、たいしたことではないのだけど、それでも、まだ続くのか・・と、思うと、終わりが来ないような気がして、どんどん消耗していきます。
まぁ、そんなことを言いながら、ぬくぬくと暖かい場所にいるのだから、バチがあたりますけど・・。

本当にねぇ。
きっと、誰かが手を貸してくれる。って、そう思っているのだけど、性格なんでしょうねぇ、自分が自分がって思っちゃう(笑
困ったものです。

先日、大人用のおんぶ紐をネットで発見しました。
女性でも男性を楽に担げることができると書いてあって、早速購入を決めました。
が(笑
息子の状態に合うかどうかは、やっぱり難しそうなのと、先日ヘルパーさんにその話をしましたら、「装着するのが大変じゃないですか?」と。

はっ!
そうだった・・(笑
装着させるためには、息子を抱きかかえてベッドなりに横にしないといけないんですよね~。
ほんとにもう・・。
んでも、火事場の馬鹿力を信じてがんばっちゃうもんね!って思ってます(笑
2011.03.23 01:53 | URL | #195Lvy4Y [edit]

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