風と幻灯

家族のこと、猫のこと、日々の暮らし。
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「プー」の話し①

1991年、夏。
出会いは嵐の中でした。

結婚した翌年、わたしは妊娠6ヶ月で、東京の吉祥寺の近くに住んでいました。
まだ、23歳。
仲の良い友達は、まだ学生だったり、就職してすぐの頃だったりで、わたしのように結婚して妊娠している子は、いませんでした。
しかも、仲良しだったグループのほとんどの子が、海外に留学してしまっていて、日本にぽつんと残されている状態でした。

夫の帰りは遅くて、いつもひとりぼっちでした。

1日、誰とも話をすることもなく、日記には、「今日は、八百屋さんとだけ口をきいた」なんて哀しいことも書かれていました(笑
今のように、パソコンも普及していなかったし、母親学級で知り合った友達と時々会うことだけが楽しみでした。

そんなある日、台風で雨と風の音の中、ひとりで家の中で、TVをぼーっと見ていると、外から猫の鳴き声が聞こえてきました。
「あ、猫が鳴いてる・・」
小さいころから猫が大好きだったので、気になって耳を澄ますと、その鳴き声はやむことがなく、必死に、大きな声で「みゃーみゃー!」と、訴えているように鳴き続けていました。

玄関をあけて、外に出て、また耳を澄ますと、どうやら下の方で鳴いている?
階段を下りて、階下に行ってみると、その廊下には、小さい子猫が空を見ながら「みゃーーーーっ!みゃーーーっ!」と鳴いていたのでした。

近寄って見ると、逃げることもせず、ただ、鳴き続ける子猫。
こげ茶色の、小さな子でした。

かわいい・・。

「どうしたの?おいで」と声をかけて、抱き上げて、部屋に連れて帰り、きっとおなかがすいているのだろうと、冷蔵庫にあった牛乳とウィンナーを小さくちぎってあげました。

子猫は、うーうーーと唸りながら、それをガツガツと食べました。

やっぱり、おなかが空いてたんだ・・。

さて。
そんな感じで部屋に入れてしまった子猫。
どうしよう?

住んでいたマンションはペットの飼育禁止だったし、だいたい、夫くんがダメと言うだろう。
猫をそんなに好きじゃないし。

っていうか、飼う?え?いや、いやいや・・。え、でもどうしよう??

もともと猫は大好きで、いつか飼いたいと小さな頃から思っていたので(小さいころは団地住まいで、やはりペットを飼えなかった)飼いたい!と言う気持ちはあったけど・・。
そして、すごく可愛いけど・・。

でも、外に出す気にもなれず、夫くんの帰りを待つことにしました。

夫くんが帰ってきて、「あのね、猫拾っちゃったんだけど」と言い、子猫を見せると「えぇぇ?ちょっとダメだよ、ここペット禁止だし、それに無理だよmomeちゃん」やっぱり夫は、そういいました。

そうだよね・・。
だけど・・だけど・・。

「じゃぁ、迷子かもしれないから、明日ペットショップとかの張り紙あるか見てくる。それまで預かっていていい?それならいい?」
しぶしぶ夫くんが納得してくれて、翌日、たしか土曜日か何かで夫くんも仕事が休みだったので、ふたりでペットショップに行ってきました。

歩いて10分ほどのところにペットショップはありました。
はじめて入るペットショップ。
狭い店内には、フードが並べられ、何頭かの犬や猫、美容室もあるようでした。

「あのう、実は、子猫を拾ったんですけど、迷子じゃないかと思って、お探しの子はいませんか?」
ペットショップの店長さんが、どれどれ?と子猫を見ながら、「迷子の知らせは来てないけどなぁ。あ、この子、アビシニアンだねぇ」

あびしにあん?

「名前」のついている猫といえば、シャムとかペルシャくらいしか知らなかったので、はじめて聞く名前でした。

「名前がある猫なんですか?」
「うん、アビシニアンだね。もしかしたらMIXかもしれないけど、でもアビシニアンに見えるなぁ」
「じゃぁ・・そういう猫なら、きっと、飼い猫ですよね、迷子の子猫を預かってるって、張り紙をしてもらってもいいですか?」
「いいですよー」

そんなわけで、「アビシニアン」は暫くうちで預かることになったのでした。

そこで、とりあえずまだ子猫だから缶詰のフードが良いよ。と教わって、缶詰をいくつか購入し、トイレは段ボールで作ることにしました。新聞紙をびりびりに裂いて、置いておけば大丈夫とのことだったので。

自転車のカゴに、その子猫をいれ、夫くんと二人で買い物をしながら家に帰りました。
帰る途中、何人ものひとが、「あら、かわいい!」と近寄ってきて、子猫をなでて、わたしたちと会話をして去って行きました。
久しぶりに、たくさんのひとと、話をしました(←かわいそう!!!笑

その子猫は、とっても賢くて良い子でした。
トイレも、最初から知っていたかのように、一度も失敗せず、段ボールの中でして、新聞紙を上手にかぶせました。
ごはんもたくさんパクパク食べて(相変わらず、唸りながらだったけど)チーズ入りのフードがお気に入りのようでした。

ただひとつ、困ったことは、夜中に寝室を飛び回ること!
猫が、跳ねるなんてはじめて知りました(笑

何度かペットショップに顔を出し、「問い合わせありましたか?」と聞くと、全くなしとのこと。
アビシニアンの迷子猫、預かってます。と書かれた張り紙に、「アビシニアンなら欲しいわ!って言ってきた人がいたけど、そういう人に渡したくないから、もう見つかったかも、知らないよーって言っちゃった!」って店長さんが笑いながら言っていました。

でももう、その頃には、その子猫を手放したくなくなっていました。
見つからなければいいのにな・・って、ずっと思っていました。

2週間が過ぎて、子猫の問い合わせがないことをきっかけに、夫くんと相談して、その子猫をうちで飼うことに決めました。
夫くんも、猫はそんなに好きじゃなかったのに、その愛らしさに、すっかり魅了されてしまったようでした。

名前も決めました。
名前は「プー」

松谷みよこさんの児童書、「小さいモモちゃん」というシリーズに出てくる、黒猫の名前からとりました。
小さい赤ちゃんモモちゃんが生まれてから、モモちゃんの家にやってきた黒猫、それがプー。
モモちゃんのとっても仲良しの友達になった子猫。
わたしのおなかの中の赤ちゃんとも、友達になって欲しいと思ってつけました。

ペットショップの店長さんに、「うちで飼う事にきめました」
そう伝えると、喜んでくれて、「何かあったらいつでも相談してね」と張り紙をはがしました。

これが、プーがうちの子になったときの、お話し。

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2 Comments

さとさと says..."出合い"
プーちゃんはmomeさんと出会う運命だったんですよ~
だって、プーちゃんが居てたくさんの人と話すきっかけが
出来たなんて…良いお話ですv-410
momeさんの所に来てくれたんですよ! 
2011.02.16 19:44 | URL | #- [edit]
mome says...">to さとさとさま"
わたしも、今でもプーとの出会いは運命だったと思っています^^
もちろん、今いる猫たちとも運命の出会いですけどね(笑

プーのおかげで、わたしは、本当に楽しい日々を過ごすことができました。
家にひとりでいても、友達に会えなくても、プーがそこにいて、んにゃぁぁと鳴いて擦り寄ってくるだけで、本当に幸せでした。
2011.02.17 01:36 | URL | #195Lvy4Y [edit]

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